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2005.08.15

チベット独立を描いたミステリー小説『ヒマラヤン・ブルー』(山石 恵)

『ヒマラヤン・ブルー』(山石 恵)新風舎文庫(←amazon.co.jpにリンク)

pic_0241旅先のシンガポールで萌子はスワミと出会い恋に落ちる。しかし、一枚のフロッピーディスクを萌子に託しスワミは謎の死を遂げる。その後、残された萌子の周囲で起こる殺人事件……。謎を追う萌子の前に立ち塞がる中国情報部。スワミと同じ顔の男・楊は何者か。
騒乱から政府瓦解へと突き進む中国を後に、聖地チベットで萌子は歴史の闇に葬られた二人の兄弟の、悲しい宿命を知ることに……。書き下ろし長編ミステリー。

新風舎の紹介ページより

せっかくのミステリー仕立てなので展開は書かないでおくが、
平たく言うと、旅先で優しくされた男とついやっちゃったために、
チベット独立運動に巻き込まれていく日本人女性の話。
最後はラサまで行って活躍する。

最初から最後まで“私”が語るスタイルのためか、
“私”の知識と交際範囲内のことしか語られない。
職場や仕事(フラワーコーディネーターだそうだ)の話はやたらと細かいのに、
国際情勢絡みになると、とたんに『サピオ』に載ってたような話を薄めた感じになる。
よく言えば“等身大”。
そのレベルに合わせられれば、“私”の成長物語に感情移入できるはずだ。

読後感を「いかにも女が書いた、って感じ」と語った女性がいたが、まさにそんなテイストもあり。あ、いい意味で(笑)。

著者について詳しいことはわからないが、たぶんチベットが好きな人なんだろう。
チベットにまつわる細かなガジェットがあちこちに散りばめられていて、適材適所きちんとハマっていると思う。
わざとらしさ、あざとさもなく、“私”を取り巻く周辺の設定については妙に通っぽくて好感度大。
でも、“私”については好き嫌いが分かれるだろうなあ(笑)。

まあすぐ読めるので読んでみて下さいよ。

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Comments

そういえば、10年くらい前にハヤカワ文庫?で読んだ小説で、
・ダライ・ラマ14世はなくなったがずっと「瞑想中」ということで、生きてることにして、密かに15世を探し出して教育。
・で、成人したところで、チベットに戻るが、その「輿」には「紋章」がついており、それをみた国境警備隊だろうがなんだろうが、チベット人であれば「あぁ、聖なるお方よ」というんでフリーパス。
・で、最後はその「輿」を追いかけるチベット人の流れが・・・
というのがあったんですが、覚えてます?

ダライ・ラマ5世の死後の話がモデルだと思うけど、今の世の中、「その死を秘して」なんてムリでしょうけど。
本は引越ししてるなかでどっか行っちゃいました。

Posted by: ちべ者(管理人) | 2005.08.16 at 00:47

そ、そんなのありましたっけ???

ぜひ思い出していただきましょう(^^;

Posted by: 長田 | 2005.08.16 at 02:12

わしもボダあたりのチベタン人間模様を描いたドラマでも書こうかなあ。主人公は、ちょっとやくざなインドで勉強したお坊さんで、もうぜんぜんヤル気ないってかんじで、お酒なんかあおちっちゃってるの。んでもって、ツーリストのフランス人と恋に落ちちゃうの。彼女はもちろんチベット独立運動家・・・・どう?

Posted by: もかと | 2005.08.16 at 14:30

>ちべ者さん
 あー私もそーゆうの読んだ記憶あります! 海外モノですよね? 93年夏にラサ旅行した時、確かヤクホテルのドミで、長期滞留者から貸してもらった小説(文庫本)がそんな筋立てで。「ラストがイイんだよ」とニヤニヤしながら貸してくれたんだよなあその人。著者名も知らない外国人で、タイトルもチベットと関係なかった気が。何かよく分からないけど途中までアクションとバイオレンスてんこもりで、最後ずいぶん唐突なダライラマ出現だった印象しか残ってない……そのうえタイトルも何も分からないと探しようがないですね。そもそも同じ小説かどうかも不明だし。
ところでまだ読んでない本ですが「遥かなり神々の座」(谷甲州)というのもチベットゲリラものだそうで(著者は元ネパール海外青年協力隊にしてSF作家という経歴)。気になってるんですが見当たらない。

Posted by: うらるんた | 2005.08.19 at 03:39

そういえば、独立系小説てと、
タイトル:吐蕃風異聞
著者:稲葉 稔
版元:講談社。

”ヤクの群れ集うチャンタン高原に、一発の銃声が轟き、真言を唱える声が響くラサでは、チベット独立の決起が迫る!”
とかいう剣呑で切迫したモノというんだけど、すっかり中身は忘れました(笑)。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062083140/qid%3D1124709581/250-1185545-1581824

Posted by: ちべ者(管理人) | 2005.08.22 at 20:25

初めてお便りします。「ちべ者」さん、「うらるんた」さんの記憶にある本は『魔境降臨伝説(上・下)』(イースターマン・二見文庫・1990)だろうと思います。積み重ねた本の山の中から探し出せず、現物にあたっていませんが、活仏の少年ラマをモンゴルまで送り届けるというストーリーで、バイオレンスあり活劇ありの作品であったと思います。
ところでこの機会に、所持する書籍の中でチベットを舞台に或いはチベット仏教(ラマ教)やラマ僧をモチーフにしたFSやアクション(スパイ)ものをリストアップしてみたら、何と40を超える作品がありました。半数は外国人作家のもので他は日本人作家によるものです。紹介させていただこうかと思いましたが、あまりにも数が多いので省略させていただきます。

Posted by: のりちゃん | 2005.08.30 at 10:21

チベット系の小説だけで40もあるんですか!? びっくりですね。
是非ともI LoveTibetのブックガイドに特集を組んで欲しいですね。
http://www.tibet.to/book/index.htm
長田さん、お忙しいとは思いますが、期待してます^^)

Posted by: なかむら | 2005.08.30 at 11:52

絶版になって手に入らないのが多そうな気も^^;
『魔境・・』はamzonのユーズドで10円で出てます。
谷甲州のは読んだと思うけど、どうだったかな・・

Posted by: 長田 | 2005.08.30 at 12:45

こんばんはー。
遅ればせながら・・・読みました!
>読後感を「いかにも女が書いた、って感じ」と語った女性がいたが、まさにそんなテイストもあり。あ、いい意味で(笑)。
 これは同感でした。男性は、こうは書かないだろうなーと。

>でも、“私”については好き嫌いが分かれるだろうなあ(笑)。
 たまーに、”私”のような人がいますが、嫌いです(ヒガミ!?)。だけど、この本の”私”は何だか嫌いじゃないです。『スワミ』と『ロブサン』の顔をみせてぇぇ。

Posted by: ももちべ | 2005.09.05 at 22:06

>>『スワミ』と『ロブサン』の顔をみせてぇぇ。

あ、そういえば、この話は漫画向きかも。
著者はきっとチベタンのスマイルを知ってるんでしょうねぇ。

Posted by: 長田 | 2005.09.06 at 03:13

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