99 posts categorized "経済・政治・国際"

2009.12.21

移住させられたチベット人たちのその後(ウーセルのブログより)

チベットでは、再開発、生活改善、自然保護など、さまざまな名目による強制的な移住が進められている。アムド地方チョネ(甘粛省甘南州卓尼)で行なわれた移住についての内部報告書の内容が、北京在住のチベット人作家ウーセル(唯色)氏の中国語ブログ『看不見的西蔵』(Invisible Tibet)で明らかにされている。以下勝手に全訳。正確さや、本来の文学的な格調を求める方は原文でご確認ください。
写真はかなり省略したので、これも原文でご覧ください。

▼原文
「一部関于蔵人移民的調査報告令人震驚」(看不見的西蔵 2009/12/21)



チベット人の移住に関する調査報告の驚愕の中身
文/ウーセル(唯色)

091221_amdo_chone01最近ある内部資料を目にした。中国国家民族事務委員会民族問題研究センターによる『民族工作研究』(2009年第4期)である。その中の『甘粛少数民族地区の非自願性移民問題調査報告〜甘南州九甸峡水力発電所プロジェクトを例に』を読み、驚かされるとともに、深く憂慮している。冒頭、ダム建設による水没地域は甘南州の多くのチベット人集落に及ぶことが紹介されている。計661戸、2560人のチベット人が立ち退きを余儀なくされた。大多数が移住させられたのは、ゴビ砂漠の激しい風砂の危害にさらされる酒泉市瓜州県である。自然環境が劣悪なだけではない。もっと重要なのは、文化や習俗がまったく異なることである。

091221_amdo_chone022008年9月と10月に2回にわたって行なわれた調査により「チベット人移民の精神状態は非常に悪く、懐郷と懐古の心理が広く見られる」と明らかになった。こんな哀歌がぴったりである。
「山々も、川の流れも変わってしまった。食べもの、着るものも変わってしまった。文化信仰も違い、人とも近づけない。天も変わり地も変わり、昔と同じものは何ひとつない。身も心も凍えながら、故郷を懐かしんでばかり」
移住当初、開墾植樹に奮闘したチベット人もいた。しかし、空を覆う砂嵐とアルカリ化した大地を前に、望みは潰えた。すぐに生活水準は低下し、未来に希望はなくなった。来年どうやって耕作し、暮らしたらいいのかもわからない。
「94.44%の人が、生活に対して以前よりも大きな不安を抱いている」

政府はチベット人移民の甚大な損失に対して合理的な賠償も補償もせず、本来の了解事項もきちんと形にしていないため、移民たちは大損したと感じている。そのうち、元々の土地と移住地の土地の置換を進める規定についても、補償は進んでいない。チベット人が移住地に赴き、家屋の価格を差し引けば、補償金の残りはいくらもない。調査によれば、移住地の家屋には「チベット族の特色は一切ない。一列に整然と並ぶ白い平屋根の建物で、室内は暗くて寒く、快適さが感じられない。住み心地が非常に悪いだけでなく、建築の品質も劣悪である。……88.89%が住居の状況に不満を表わしている」

091221_amdo_chone09調査報告はさらに直言する。
「各層政府が専ら重視した作業は、とにかく早く移住させることだ。……彼らの希望や文化背景を尊重する者は非常に少なく、チベット人移民の文化的適応について、関心を持ったり気づいたりする者も稀である。彼らが自らのグループや神聖な寺院、慣れ親しんだ山河や郷里から遠く離れた後、心の奥深くに負った憂いと苦しみを、誰かが代わって引き受けることなどできないのだ」。
調査によれば、移住先には「チベット族文化の息吹は一切なく、チベット族的な特徴は影も形もない」。
ある70余歳の老人はこう言う。立ち退きにあたって、移住先にチベット仏教寺院を建てることを求めた。関係指導者は寺院建立に応じただけでなく、何人か僧侶を呼ぼうとまで言った。しかし、移住後、寺院が建たないだけでなく、祈祷旗さえ掲げられないでいる。多くの老人は風土になじめず病にかかり、精神に異常をきたした女性もいる。葬儀の習俗までもが変えさせられてしまった。チベット人移民たちは強烈な心理的圧迫を受けている。
「78.70%が、自らの民族文化・習俗が伝承できないのではないかと懸念している」。

091221_amdo_chone10調査報告はまたチベット人移民の教育問題にも注目し、移住に際し、政府が民族教育という重要過程を一切考慮していないことを指摘している。移住先の学校はチベット語教育に対応しておらず、教科書の種類も異なり、教師が何を言っているのか方言がきつくてわからない。したがって、チベット人移民の子女は勉学が困難になり、勉強嫌いになってしまう。移住地での学費は高額なのに加え、生活費も高い。すでに数十人の中学生・高校生は中退し、働きに出ている。

移住地の政府当局者はチベット人を貧困移民と見なしている上、言葉も通じないことから、チベット人への蔑視を招いている。当然チベット人の反感と不満を呼び、現地社会に溶け込むことはさらに困難になる。もちろん、この調査報告には相応の対策と提案もあるが、一定期間に効果をあげるのは困難だろう。これらは中国の国情がもたらしたものだ。被害者はいつも弱き民衆であり、チベット人民衆は弱者の中の弱者なのだ。それでも、この調査報告が非常に貴重なのは確かだ。チベット人は移住によって「経済的・物質的な損失を被っただけでなく、彼らを取りまく宗教・文化・コミュニティー・心理・生活様式・風俗習慣に及ぶすべての面で損失を被った」と明確に結論づけているからだ。

2009年11月21日
(この記事はRadio Free Asiaチベット語放送のために書かれた)

091221_amdo_chone03記者が写真につけた注釈:
「懐かしくなったときに見よう!」
チョネ県トウ硯郷納児村の全村移民は、全村民の集合写真を撮るよう記者に求めた

091221_amdo_chone04チベット人が移住させられたのは、ゴビ砂漠の風砂の危害にさらされる酒泉瓜州だった

091221_amdo_chone05甘粛省の役人がチベット人の移民村を訪れ、乾燥のため何も育たない農地を視察

091221_amdo_chone06役人が移民村を訪れ、家族計画の状況を調査

091221_amdo_chone07瓜州県広至チベット族郷卓園村の老人、範宗草。しかし、彼女の外見にチベット人老婦の面影が見られるだろうか?

091221_amdo_chone08瓜州県広至チベット族郷の学校で「6月1日国際児童節」を祝う。しかし、これらチベット人の子どもたちの衣装や踊りは、チベット人自身の文化とはまったくかけ離れている。
(注:写真はすべて百度で検索したもの)

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2009.12.17

テンジン・デレク・リンポチェの学校は養鶏場・屠殺場になっていた(ウーセルのブログより)

12月5日、チベット・カム地方ニャクチュカ・リタン(四川省甘孜州雅江県・理塘県)でチベット人による500人規模の抗議デモがあった。日本でも次のように報じられた。

チベット族5百人がデモ 四川省、150人拘束か
2009.12.9 00:44

 米政府系放送局のラジオ自由アジアによると、中国四川省カンゼ・チベット族自治州で5日、500人近いチベット住民が、投獄されている僧侶の釈放を求めて抗議デモを行い、現地と連絡を取った亡命チベット人は150人以上が当局により拘束されたと語った。
 デモが起きたのは同自治州の雅江県と理塘県で、治安部隊が制圧に乗りだしバイクなどを壊した。僧侶は爆破事件に関与したとして2002年に死刑判決を受け、その後無期懲役に減刑されたという。
 チベット亡命人系ニュースサイトは、デモに参加したのは3百人以上で、地元政府施設前で3日間連続してハンガーストライキをしていたと伝えている。(共同)

この記事に出てくる「高僧」とは、テンジン・デレク・リンポチェ師。2002年に四川省成都で起きた爆弾事件に関与したとして死刑判決を受けた後、2005年に無期懲役に減刑となった。師本人は無実を主張。地元チベット人も無実を信じており、今回の抗議デモも再審を求めるものだ。
※一連の経緯については、たとえば→「テンジン・デレック・リンポチェを救うために」(チベットNOW@ルンタ)

Tenzindelek01テンジン・デレク・リンポチェはリタン周辺の精神的指導者であり、教育や医療の改善に務めたことでも知られている。北京在住のチベット人作家ウーセル(唯色)は2008年6月、師の設立した学校を訪問しようとニャクチュカ現地を訪れた。その模様が女史の中国語ブログ『看不見的西蔵』(Invisible Tibet)「テンジン・デレク・リンポチェの学校は養鶏場・屠殺場になっていた」として掲載されている。

以下(勝手に)ほぼ全訳。毎度ながら、正確さや、本来の文学的な格調を求める方は原文でご確認ください。
また、写真も一部省略。原文にはもっとたくさん載っているので、是非ご覧ください。

▼原文
「丹増徳勒仁波切的学校、現在成了養鶏場和殺豚場」(看不見的西蔵 2009/12/17)



テンジン・デレク・リンポチェの学校は養鶏場・屠殺場になっていた
文/ウーセル(唯色)

テンジン・デレク・リンポチェは、この地の子どもたちにとって教育を受けるのが困難な状況に鑑み、1994年以来、自らの手で学校を設立することを望んでいた。師が力を尽くした結果、ついに政府もしばらく黙認することとなり、1998年5月、格西溝和平小学校が誕生した。

Tenzindelek02この小学校は、ニャクチュカ(雅江県)のニャクチュ(雅龍江)沿いの格西溝に位置する。ニャクチュカの町から4〜5キロ。気候、照明、医療などの条件の比較的よい、千数百平米の土地である。受け入れた学生の中には、孤児だけでなく、障害者やきわめて貧しい家庭の児童もいた。子どもたちの出身地はリタン、ニャクチュカ、ダルツェド(康定)の幅広い農牧地域。中には、チャクサム(濾定)から来た漢族の孤児もいた。1999年の時点で、学生は130人。男女比は44:56。貧困家庭の学生が8割、孤児が2割を占め、13歳から20歳の小学生相当以上の年齢の学生が6割いた。

Tenzindelek05クラスは4つ。科目はチベット語、チベット語による数学、漢語、チベット語文法など。各クラスとも国家編纂の教材を使っていた。教員は6人で、うちチベット語教師2人、漢語教師2人。教師のうち4人は師範学校卒業生を招いた。他に管理や炊事を担当する職員が6人。この学校のすべての経費はテンジン・デレク・リンポチェ個人が提供したものだ。師は毎月平均13,800元を投じて、教職員の人件費や学生たちの衣食等をすべて賄っていた。

2000年、この学校は強制的に解散させられた。その時点で学生は300人以上。身寄りのないお年寄りと障害者もいた。

Tenzindelek082008年6月、私はカムとアムドを訪れた際、テンジン・デレク・リンポチェが手がけた学校がどうなっているかを見に行った。
本当に悲惨で見ていられない!
人気がなく、空っぽの建物。教室はゴミだらけで、かつて教員や学生の寄宿舎だった部屋は、すでに養鶏場と屠殺場になっていた。漢人地域から来た出稼ぎがせっせと金を稼ぎ、子どもを育てている。流れる小川には、鶏の毛や豚の糞、ビニール袋が浮かぶ。漂う悪臭の中、豚が屠られる叫喚が響く……

これほど皮肉な現実があるだろうか!

Tenzindelek07ニャクチュカの町に出入りする道路上には、武装した警官や武装警察が陣取り、今に至るまで厳重に警戒している。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

【イベント】12/19&20「チベット人と訪ねる『聖地チベット』展」@上野

上野の森美術館で開催中の特別展「聖地チベット—ポタラ宮
と天空の至宝—」を入り口として、チベットの人たちの思いを知り、
チベット文化そのものを考えるワークショップを開催します。
チベットの文化を血肉で受け継ぎ、チベットのこころを持った
人たちがつむぐ言葉に耳を傾けてみませんか。
(※美術の専門家や研究者の解説や美術評論はありません)

第5回、第6回の日程が決まりましたので、お知らせします!

第5回……12/19(土)10:00〜
第6回……12/20(日)13:00〜

■主催:「チベットの歴史と文化学習会」有志
■協力:在日チベット人コミュニティ

↓詳しいご案内と、お申し込みはこちら↓
チベット人と訪ねる「聖地チベット」展へのお誘い

定員がありますので、〆切になっちゃったら、ごめんなさい_(._.)_

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2009.11.18

チベット人作家2人に懲役15年/5年の判決(ウーセルのブログより)

北京在住のチベット人作家ウーセル(唯色)の中国語ブログ『看不見的西蔵』(Invisible Tibet)より、言論を理由に懲役刑を受けた文筆家2人についてのエントリーを(勝手に)ほぼ全訳。正確さや、本来の文学的な格調を求める方は原文でご確認ください。

▼原文
「驚悉両位蔵人作家因言獲罪、被判重刑」(看不見的西蔵 2009/11/17)
▼関連記事(その他の言論弾圧についての以前の記事)
「消えたチベット人作家たち(ウーセルのブログより)」(チベット式)



驚愕。2人のチベット人作家が言論を罪に問われ、重刑を言い渡された。
文/ウーセル(唯色)

本日、2人のチベット人作家が言論を罪に問われて重刑を言い渡されたことに驚き、ここに関心を呼びかけたい。
さらに大勢のチベット人が、司法の不公正かつ不透明な操作によって投獄・重刑を受けるかもしれないし、すでに受けているかもしれない。
強まる一方の弾圧。これがチベットの現実である。
2人のチベット人を簡単に紹介しよう。

Konchok_tsephel_21)クンチョク・ツェペル
今年2月26日、甘粛省甘南チベット族自治州マチュ県の自宅で拘束。中国初のチベット族文学のポータルサイト“チュンメー チベット族文学ネット”の創始者のひとり。

彼に対する告発は、ネット上に発表した文章が昨年のチベットでの抗議事件の情報を伝えていたことに関連しているとのこと。現地政府により懲役15年の判決が下された。家族は先週、彼が判決を受ける法廷に呼び出されて、ようやく彼の消息を知ったという。

Gangnyi2)クンガ・ツァヤン(筆名カンニ)
アムド・ゴロク・ルンカル寺の僧侶。ラプラン寺高等佛学院に学んだ。ニェンポユルツェ環境保護協会のカメラマンでもある。20代。

彼はチベット語のブログ上で「誰が真の覚醒者なのか」「誰が真の分裂主義者なのか」「誰が我々を支持しているのか」「チベット転生活仏の責任」「ラサはすでにラサではない」「中国は尊者ダライ・ラマを尊重すべきだ」「チベット人民、我々はエイズの真相をよく知るべきだ」「我々チベット人は、真実の証人だ」などの文章を発表したことにより、今年3月17日、警察によってラプラン寺から連れ去られた。彼は現地政府により懲役5年の判決を受けた。

訳注:
“チュンメー チベット族文学ネット”→http://www.tibetcm.com/
チュンメーは「灯明」の意味。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

2009.10.21

【イベント】11/8 ミニシンポジウム「チベット人ジャーナリストと見る「聖地チベット」展」@早稲田

続々イベントのご案内。

見る・聞く・考える「聖地チベット—ポタラ宮と天空の至宝—」
◆チベット人ジャーナリストと見る「聖地チベット」展◆

ダライ・ラマ14世同行取材のため来日中のチベット人ジャーナリスト2人を迎え、
上野の森美術館「聖地チベット」展に展示中の「美術品」について、また展示を巡るさまざまな話題について、
意見交流の機会を持てることになりました。

聖地チベット展をご覧になって「何かもの足りない」と思われた方、
「これはこれでいいじゃん」と思われた方、ぜひお越し下さい。
チベット文化の奥深さ、チベットの魅力について、
さらに感じる機会になればと思います。

■日時:2009年11月8日(日)午後2時〜4時半
■場所:新宿区立榎町地域センター4階多目的ホール(新宿区早稲田町85)→地図
■参加費:700円
■主催:ノルブ・クリエイト
■問い合わせ:090-7108-1913

■内容
・「聖地チベット」展解説 長田幸康さん(I Love TIBET!主宰)
・在日チベット人からの報告ツェリン・ドルジェさん(SFT Japan代表)…聖地チベット展についての経緯とSFT Japanの活動について
・パネルディスカッション
・シェーラプ・ウーセルさん(記者、亡命政府報道官)
テンジン・チュジョルさん(亡命政府法王庁カメラマン)
・ツェリン・ドルジェさん(SFT Japan代表)
 ほか

■言語:日本語、チベット語、英語(通訳あり)
■予約不要
■終了後、懇親会もあります(参加費別途)。参加希望者は事前にご予約ください。

| | Comments (0) | TrackBack (2)

2009.08.28

【イベント】9/26(土)第6回「チベットの歴史と文化学習会」(上田豊/渡辺一枝/テンジン・タシ/福島香織他)

2008年蜂起をきっかけに始まった「チベットの歴史と文化学習会」。第6回目です。
【2009/9/10更新】産経新聞の福島香織さんの出演が決定!

pdf版のチラシはこちら

第6回「チベットの歴史と文化学習会」
2009年9月26日(土)18:15〜21:15(開場18:00)
文京区民センター 3-A会議室(東京都文京区本郷4-15-14)

第6回「チベットの歴史と文化学習会」

■日時:2009年9月26日(土)18:15〜21:15(開場18:00)
■場所:文京区民センター 3-A会議室
    交通 営団丸ノ内線・南北線 後楽園駅徒歩3分
    都営三田線・大江戸線春日駅徒歩1分
    JR総武線水道橋駅 徒歩13分
    http://www.city.bunkyo.lg.jp/gmap/detail.php?id=1754
■参加費:¥600

■参加のお申込み
 当日参加も可能ですが、事前にお申込みいただいた方を優先させていただきます。申込みページ(↓)からお申込み下さい。
 参加お申込みページはこちら(http://www.tibet.to/gaku6/)
※定員になり次第締め切らせていただきます。

■プログラム(予定)

(1)特別講義「ヒマラヤ・チベット圏の氷河の変貌と地球環境」
講師:上田 豊(元名古屋大学大学院環境学研究科教授)

(2)チベット報告「チベットで見た鉱物資源の採掘場」
報告:渡辺一枝(作家)

(3)映像とディスカッション「チベット問題を問う(1)」
チベットのサポーターとして、日本人として、いかに「チベット問題」に向き合うか?
映像の後、発言者それぞれの立場からの考えを語り合います。
発言者:福島香織(産経新聞 元中国総局記者) テンジン・タシ(在日チベット人)
    渡辺一枝(作家) 長田幸康(I love Tibet!HP 主宰)
司会:藤田祐子 *発言者は都合により変更となる場合もあります。

●主催:チベットの歴史と文化学習会
●お問い合わせ:e-mail: trb.gakusyuukai★gmail.com
       (★を半角の@に換えて下さい↑)


| | Comments (2) | TrackBack (1)

2009.08.16

【講演】9/11(金)@町田「チベットって何?〜いま何が問題か」(長田幸康)

内容的には、かなり入門編です。
お近くの方は是非どうぞ!
以下フライヤーから抜粋します。

講演会「チベットって何?〜いま何が問題か」

1949年、東隣りに中華人民共和国という国ができた。毛沢東という指導者が北京で「チベットを解放するぞ!」と宣言したのが、チベットの終わりの始まりである。圧倒的な武力でチベットはすぐに陥落し、1959年、指導者のダライ・ラマ14世がインドに亡命。北インドのダラムサラにチベット亡命政府を樹立した。チベットは、チベット自治区と四川省、青海省、甘粛省、雲南省の一部として組み入れられ、現在は中国の一部になっている。そして今、チベットの中では? チベットの何が問題か?

開催日時:2009年9月11日(金)18:30〜20:30(開場18:00)
会場:町田市民フォーラム 3階ホール(定員180名)
   →地図
参加費:無料
講師:長田幸康(おさだゆきやす)氏
主催:(財)町田市文化・国際交流財団 町田国際交流センター(担当:国際理解部会)

申込みは……ハガキかFAXらしいです……
詳細は↓をご参照ください。申込書もついています。
http://www.tibet.to/cover_img/090911machida_by_osada.pdf

| | Comments (1) | TrackBack (2)

2009.08.05

消えたチベット人作家たち(ウーセルのブログより)

北京在住のチベット人作家ウーセル(唯色)の中国語ブログ『看不見的西蔵』(Invisible Tibet)より、声を上げ、どこかへ消えてしまったチベット人文筆家たちについてのエントリーを(勝手に)ほぼ全訳。ラフに訳している部分もあるので、正確さや、本来の文学的な格調を求める方は原文でご確認ください。

▼原文
「突破噤声、遠離恐怖、接踵被抓的幾位蔵人作家」(看不見的西蔵)



声を上げ、恐怖を乗り越え、そして捕らえられたチベット人作家たち
文/ウーセル(唯色)

昨年3月“チョルカスム”(ウ・ツァン、カム、アムド3地域)全域に及んだ抗議行動の後、年末の記事『誰も知らない果てしない暗闇に消え去る...』で次のように書いた。

「一つひとつの事件がまるで昨日起こったことのようだ。鮮血は今なお流れている。硝煙は今もまだ漂う。血との炎の中にほとばしる熱い涙、沸きあがる怒り。私たちの多くにとって、依然として鮮烈な体験だ。なぜなら巨大なベールの裏側では陰謀が着々と進んでいるのだから。..... 私たち一人ひとりがこうした統計を残すことができるかもしれない。より詳細に、より多くの事実を記録することもできるだろう。それはすぐに完成できるものではないが、きめ細かく、確実に、完璧に、誰も知らない果てしない暗闇に消え去った命を網羅し、2008年の鮮血と炎をもって、だれも無視できない、言い逃れのできない真相を提供すべきである。」

090804_ph02__2今に至るまで、母国語による書籍、雑誌、文章、歌詞は絶えることなく登場している。チベット人作家たちは、つぐんでいた口を開き、恐怖を乗り越え、先人に続いて、さらに多くのチベット人を鼓舞している。

以下は、捕らえられたチベット人作家たちについて、私の知る範囲での記録である。そして、チベットの真相について記録した書籍・雑誌についても紹介する。十分でない点があれば、読者各位の補足に期待したい。

母語作家、クンガ・ツァヤン(筆名カンニ)、ドクル・ツルティム、カム・クンチョク、タシ(筆名テウラン)に深く感謝する。

090804_ph03__51)クンガ・ツァヤン(筆名カンニ)
アムド・ゴロク・ルンカル寺の僧侶。ラプラン寺高等佛学院に学んだ。ニェンポユルツェ環境保護協会のカメラマンでもある。20代。

著作に「誰が真の覚醒者なのか」「誰が真の分裂主義者なのか」「誰が我々を支持しているのか」「チベット転生活仏の責任」「ラサはすでにラサではない」「中国は尊者ダライ・ラマを尊重すべきだ」「チベット人民、我々はエイズの真相をよく知るべきだ」「我々チベット人は、真実の証人だ」などがある。

2009年3月17日の日中、警察によってラプラン寺から連れ去られた。今なおどこかに監禁されている。

090804_ph04__22)ドクリ・ツルティム
アムド・マンラ(青海省貴南県)出身。貴南県ルツァン寺と化隆県ティクギャ寺に学んだ後、四川省アバ県ゴマン寺に学ぶ。現在27歳。
2009年4月2日前後、ゴマン寺で警察に拘束される。彼の書いた文章が分裂と煽動の嫌疑を受けたため。今なおどこかに監禁されている。
彼が創刊し主宰した文芸紙『雪の生命』はすでに発禁となっている。

090804_ph05__23)カムクンチョク
四川省アバ県ドソ村出身。アバ州バルカム民族師範学校に学ぶ。同校『南賈報』創刊メンバーのひとり。アバ県キルティ寺『カンサルメト』の編集も担当し、執筆も手がけた。
2008年3月20日夜、他の学生らとともにチベット人の射殺や拘束に抗議したため懲役2年の判決を受け、成都市綿陽刑務所に投獄されている。

090804_ph06__24)タシ(筆名テウラン)
2009年1月25日、『血書』を自費出版。勇敢にも、昨年3月10日にチベットで起こった抗議行動の真相を明らかにした。『血書』は序文と32編の文章からなり、「地獄からの報告」「魂の旋律」「我がチベット」「心より捧ぐ」「真実の報復」の5章に分かれている。西北民族大学のチベット語雑誌『シャルトゥンリ』(夏東日)で発表された文章もある。

タシは『血書』出版後、当局に拘束され、今なお行方がわからず、まったく音信がない。一部のチベット語のブログはすでに、彼が密かに拘束されたことを伝え、広く関心を呼びかけている。

タシは四川省アバ州ゾッゲ県出身。『血書』は1000部を出版し、500部が売り出され、500部は当局に没収された。逮捕されたのは先週、場所はゾッゲであったと言われている。年齢は20代。これ以上の詳細は不明である。

090804_ph07__3昨年のチベットでの事件の後、民間で出版されたチベット語書籍を紹介する。写真の上から順に:
1)『雪域チベットの聖なる宝』 2)『心の内の平和』
1)『慈悲の力』 2)『時代の私』3)『時代の私』4)『私たちの民族と私たちの思想』
1)『私の故郷と聞き耳』2)『仏教紹介』3)『捕われたチベット人』(作者・永冷智は、青海省尖扎県民族中学高等部1年の学生。2008年10月18日、当局の政策に抗議するため自殺した)

最近、以下の出版物が青海・甘粛で発禁となったと伝えられている。

090804_ph08__3『血書』:タシ(筆名テウラン)著

090804_ph09__3『シャルトゥンリ』:西北民族大学のチベット人学生が刊行するチベット語雑誌。21号掲載の9編が、2008年3月のチベット事件についてのもの。

『赤風呼嘯』:小説。ツェリン・トゥンドゥプ著。青海省河南州のモンゴル人地区出身。
『ナクツァンワの歴史』または『ナクツァンの男の子の悲劇』:ナクツァン・ノルブ(またはニテン・ロブサン)著。甘粛省甘南州マチュ県出身。青海チベット族研究会の常任顧問・理事を務めている。
『ツェンポの精神』:詳細不明。

以下の2枚の写真は、作家でありカメラマンである前述のクンガ・ツァヤン(カンニ)撮影によるもの。

090804_ph10_

090804_ph11_

| | Comments (0) | TrackBack (3)

2009.07.25

ドキュメンタリー映像『チベット騒乱の真実〜Uprising in Tibet 2008』日本語ナレーション版が公開

NGOチベット人権民主化センター(TCHRD)によるドキュメンタリー映像『Uprising in Tibet 2008〜チベット騒乱の真実』の日本語ナレーション版が公開された。2008年3月10日に始まったチベットでの一連の蜂起をまとめたもの。日本語版はStudents for a Free Tibet (SFT) Japanのメンバーなどが協力して制作にあたった。他にはチベット語・英語・中国語版がある。

UPRISING IN TIBET 2008 - Japanese narration (MPEG-4, 44.6 MB)

Tchrd_uprising

SFT Japan関連で日本語版が完成したのは、『Leaving Fear Behind 〜恐怖を乗り越えて』『Undercover in Tibet 〜チベット潜入取材』に続いて3本目。
Jigdrel (ジグデル)〜Leaving Fear Behind 〜恐怖を乗り越えて〜
Undercover in Tibet 〜チベット潜入取材〜(英国Channel 4)

★『Leaving Fear Behind 〜恐怖を乗り越えて』については、
チベット本土で撮影を敢行したドンドゥプ・ワンチェン氏が不当な裁判で裁かれる可能性があるため、
アムネスティ・インターナショナルが緊急行動を呼びかけている。

アムネスティ・インターナショナルがトンドゥプ・ワンチェンに関する『緊急アクション』を開始(SFT Japan)

| | Comments (1) | TrackBack (1)

2009.06.23

【イベント】6/27@護国寺…上映「すべてのチベット人たちの勇気ある、勇敢な平和的行為」

護国寺でのイベントの案内をいただきました。
ちょっと内輪向けに書かれた感のある案内ですが、
そのまま転載します。

「すべてのチベット人たちの勇気ある、勇敢な平和的行為」
6/27(土)
護国寺(東京都文京区大塚5-40-1)

「すべてのチベット人たちの勇気ある、勇敢な平和的行為」

2008年3月10日にチベット本土で起きた騒乱は一体何だったのか?
これからのフリーチベットをどのように考えたらよいのか?

Tibet Online TV(チベット亡命政府外務省のTV)が制作したDVD、
「すべてのチベット人たちの勇気ある、勇敢な平和的行為」を解説付きで見ながら、
昨年の騒乱とチベット問題について、
考え方をちょっと整理し、明日のフリチベ活動を考えるということをいたします。

DVDのタイトルは「すべてのチベット人たちの勇気ある、勇敢な平和的行為」。
上映DVDの内容は、中国共産党が報道した映像と、チベット亡命政府などが報道した
映像を対比させたもの。
音声はチベット語ですが、日本語で詳しく解説します。
あわせて昨年のチベット会議で話されたことについても会議に参加したチベット人から話が聞けるかも。

どうぞ皆様お誘い合わせのうえ覚悟していらして下さい。

上映会のあとは、定例のキャンドルライトのお祈りです。
リードボーカルはソナムさんです。
ダラムサラ(インド)よりチベットのお坊さん2名も参加します。
時間によっては、チベット仏教についての質問時間もあるかもしれません。

■日時:6月27日(土)16時より
(質疑応答など含めて2時間程度を予定。お祈りは40分程度)
■会費:無料
■会場:護国寺 http://www.gokokuji.or.jp/
■会場定員:約120名(先着順)

| | Comments (1) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧