2008.07.27

チベット人作家トゥンドゥプ・ゲ(端智嘉)特集@雑誌『火鍋子』

今回はこの写真の人が捕まったとか、そういう話ではありません^-^;
『火鍋子』という雑誌で、
チベット人作家トゥンドゥプ・ゲ(トンドゥプジャ)の作品が
初めて日本語で読めるようになりました。

Hinabeshi1_2いまチベットで行なわれていることは「文化的虐殺」だと、
ダライ・ラマ法王は言いました。
そうやって滅ぼされそうな危機にあるチベットの文化のうち、
もっとも外国人にわかりにくいのが文学でしょうね。
歌や踊りや絵画や彫刻などと違い、
だれか訳してくれないことには、まったくわかりません。
しかも、チベット語がわかるだけでなく、その世界観に馴染んでいて、
それを外国語で伝えられる人でないと訳せないという、
ものすごく高いハードルがあります。

Hinabeshi2写真のトゥンドゥプ・ゲ(トンドゥプジャ、端智嘉)はチベットのアムド地方、
中国風にいうと青海省尖扎県出身。
中国で全集も出ている有名な作家です。
1953年生まれ、32歳で練炭自殺!してしまいました。

『火鍋子』(ひなべし)71号(2008年春号)は
3部構成でトゥンドゥプ・ゲを特集してくれています。
(1)代表作(小説)「化身」(トゥルク)の全訳
(2)トゥンドゥプゲについての解説
(3)他の主要作品のあらすじ

「化身」は小説なのでネタバレは避けますが、
大雑把にいうと仏教を茶化す感じです。
仏教を、というか、仏教ふうの古い迷信を、ですね。
普通の若めのチベット人はこういうネタは結構好きだと思うんだけど、
反発する人はするのでしょう。
発表当時(1983年)は問題作だったそうで。

Dondrubgyal_2チベット人の作家は大変ですね。
民族の伝統をもちあげすぎると中国に睨まれるし、
中国にこびるとチベット人にウケない。
笑いかエロかファンタジーを織り交ぜて
なんとかバランスをとらなきゃいけないわけです。

そうやって洗練されてきた文学も、
だんだん読む人が減ってしまう、と。
トゥンドゥプ・ゲもきっと、
チベット語ならではの美しい表現で「化身」を書いたのでしょう。
その美しさがわかる若いチベット人が、
アムドになら、まだいるのでしょうか?

3月以降のデモがアムド中心部で妙に盛り上がったのも、
アムド人こそチベット文化の担い手だという自覚と
きっと関係あると思います。

ところで、この『火鍋子』、前から知っていました。
なぜかというと毎号「Cover Story チベットを歩く」という、
大阪工大の川田進先生のすごい連載があるからです。
ラルンガルとかアチェンガルとか、
やたらとツボをおさえた詳細な現地報告が
続々と載るのですから、一部ファンにはたまりませんよ^-^;
バックナンバーも是非どうぞ。
私もごく一部しかもってないですが。

で、『火鍋子』は京都の朋友書店というところが出していて、
ホームページはありませんので、直接問い合わせて下さい。
ちょうどいいページがあったので、リンク貼っておきます。

中国書籍販売店データベース

あと参考までに、中国語のわかる方は↓
トゥンドゥプ・ゲ(端智嘉)の紹介ページ(蔵人文化網)

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2008.07.24

特集「平和なれ チベット」@仏教雑誌『ジッポウ』6号

しばらくネット関係はお休みをいただいてた(というか仕事に追われていた)ので、
遅くなってしまいましたが、仏教雑誌『ジッポウ』の豪華チベット特集のご紹介です。

Jippou100「ジッポウ」は「十方」(あらゆる方位)ですね。
「21世紀のブディストマガジン」季刊『ジッポウ』2008年夏号(6号)は、
特集「平和なれ チベット。」です。
全部で140ページのうち80ページ以上がチベットネタ。

ラインナップも豪華です。
■トップは宮崎哲弥氏インタビュー「チベット問題で日本が取るべき道」。
今回のチベット騒乱の背景から、チベット仏教について、中国共産党の宗教への怖れ、オリンピックなど、トップにふさわしく一通りわかりやすく語ってくれています。ときどき忘れそうになりますが、宮崎氏は「仏教者」なんですね。

■次は中沢新一氏インタビュー「なぜ今、チベット仏教か」。
今は多摩美の先生なんですね。当然、チベット仏教の話です。
チベット仏教を「世界遺産」と。なぜそうなのかは、読んで下さい^-^;
あと「オリンピックが終わってもチベットを忘れられないように」。

■そしてコロンビア大のロバート・サーマン教授インタビュー「米国社会とチベット問題」。
ウマ(ユマ)・サーマンのお父さんですね。
上の2人と違って、日本語のインタビューをあまり読んだことがないので、個人的にはこの記事が一番新鮮でした。
「現実に参加すること、これが僕の仏教者としてのモットーになったんですよ。」
と締めてくれてます。ほんと、お願いします。

■続いて東大の平野聡氏インタビュー。
『清帝国とチベット問題』(名古屋大学出版会)の先生ですね。
元朝以来の歴史的な経緯をわかりやすく語ってくれています。
なぜ「中国」とチベットの関係がおかしくなったのか、というあたりの話。

他にも、インドや台湾でのチベット仏教を紹介した「チベット仏教の現在」や、
江本嘉伸氏じゃないけど^-^;「ダライ・ラマ13世と二人の日本人」とか、
とにかく盛りだくさん。
値段も安いし(998円)、1冊持ってて損はない感じですよ♪


『ジッポウ』公式サイト(発行:ダイヤモンド社)
『ジッポウ』6号(amazon.co.jp)

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2007.09.29

ダライ・ラマ他【新刊】『絶望から立ち直る方法を教えてください』

ダライ・ラマ14世、デズモンド・ツツ大主教、ベティ・ウィリアムズ女史…昨年広島に集ったノーベル平和賞トリオの「お言葉集」が登場。世界平和の巨匠からの温かく、ときに厳しいメッセージ集。

Zetsuboukara_cover_22006年11月、3人のノーベル平和賞受賞者…ダライ・ラマ14世(チベット)、デズモンド・ツツ大主教(南アフリカ)、ベティ・ウィリアムズ女史(北アイルランド)を迎えて「広島国際平和会議2006」が開催された。
「広島国際平和会議2006」公式サイト

「争いのない世界をめざすシンプルな方法」を語り合ったそのシンポジウムの議事録を再構成したのが『絶望から立ち直る方法を教えてください』(アスペクト刊)。
『絶望から立ち直る方法を教えてください』(amazon.co.jpの該当ページへ)

Hiroshimasummit_cover_2右ページに

世の中は
冷たい人ばかりで、
いやになるときが
あります。

というような絶望的(^^;な悩み・質問が提示され、
左ページには、一問一答式に、その答えとなるような3人のうちだれかの言葉が引用されている。

ちなみに元の議事録(完全版)も発行されていて、amazonのみで販売中。
『広島国際平和会議2006公式議事録』(amazon.co.jpの該当ページへ)

ダライ・ラマ14世は11月に来日して横浜等で講演を行なう予定で、一般講演のチケットはすでに完売。ヤフオクで出てるけど・・・
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所

Dakukotoba_coverダライ・ラマ法王のお言葉集といえば、『抱くことば』(イーストプレス)もよろしくお願いしますね。(笑)
ダライ・ラマのコトバ集『抱くことば』(イースト・プレス)(チベット式)

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2006.11.14

ダライ・ラマのコトバ集『抱くことば』(イースト・プレス)

無事来日を果たして恒例の国技館講演を終えたチベットの法王、ダライ・ラマ14世。講演やインタビューで語ったり、著書に書いたりしたコトバのうち、印象的なものを(だいたい)100集めた本が『抱くことば』(イースト・プレス、1200円+税)。なんだかもったいぶった本の多いダライ・ラマ本業界における新機軸。

Pic_0010実は“ワードディレクター”(^-^; として100のコトバ選定をやらせていただいた。ダライ・ラマ本の多さから考えて、それほど難しいことはないと初めは思われたが、今回の対象読者は、ダライ・ラマの名前ぐらいはようやく知っているといった層。ほとんどの本は仏教成分が濃すぎて引用に適さない。仏教ネタ以外でも、やはりダライ・ラマ本たるもの格調高く訳さなければならないということになっているらしく、英語で普通に読めばたいして難しくないことが和訳によって妙に高尚に変換されていたりして、けっこう苦労した。

本来、英語の原典から訳し直すのがベストだが、翻訳権の話が発生するし、そもそも時間がない。チベット業界の年に一度のかきいれ時(笑)ダライ・ラマ来日に間に合わせなければならないからだ。
また、すべての出版社が引用を許してくれるわけではない。引用だけで1冊作ってしまおうという、考えようによっては非常に安直な企画であるから、気持ちはわからないでもないが。

Pic_0008というわけで、引用できたのはわずか数冊の単行本、そして雑誌のインタビュー記事だ。
ダライ・ラマにセックスだのドラッグだのと聞いている『プレイボーイ』(98年)、雑誌自体がなくなってしまった『朝日ジャーナル』(92年)のインタビューなどから引用できたのは喜ばしいことだ。雑誌の記事というのは普通あっというまに忘れられてしまって再び日の目を見ることはめったにない。

Pic_0009引用だけで1冊…と書いたが、実際は半分は写真だ。ブルータスのダライ・ラマ特集の時の写真家、グレート・ザ・歌舞伎町が撮ったダライ・ラマやダラムサラがたっぷり楽しめる。
サイズは新書判で、ソフトカバーにビニールカバーがかかっていおり、バッグに放り込んで旅先に持って行っても邪魔にならないサイズと柔らかさ。

パッと開いたところに、何て書いてある?
そんなふうにダライ・ラマのコトバと出会っていただければと思う。

『抱くことば』(amazon.co.jpの該当ページへ)

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2006.09.17

(遅ればせながら)季刊『旅行人』ラサ特集、『旅行人ノート チベット』第4版が発売

Ryokojin_lhasa季刊『旅行人』という雑誌の06年夏号がラサ特集「ラサの21世紀」でした。
いっぱい書きました(^-^;
まだ売ってると思います。

季刊『旅行人』公式サイト

Ryokojin_note4あと、夏の旅行シーズンを逸した感のあるタイミングで(^-^;
ガイドブック『旅行人ノート チベット』第4版がようやく発売されました。
遅くなってスミマセン。恥ずかしいミスも発覚しています。。。
表紙とカラーページの写真は長岡洋幸さん。

amazon.co.jpの『旅行人ノート チベット』第4版のページ

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2006.06.30

新刊!チベット仏画・マンダラ塗り絵ブック『癒しの塗り絵』(扶桑社)

チベットの仏画やマンダラを題材にした塗り絵ブックが登場。チベット人絵師の描いた仏画をお手本にしながら「仏を塗り、生き方を振り返る」。石濱裕美子先生の解説付き。
『癒しの塗り絵—美しい密教の仏とマンダラ』(扶桑社)(←amazon.co.jp該当ページへのリンク)

Iyashinonurie_200オトナの塗り絵が流行っているらしい。すかさず(?)チベットものの塗り絵ブックも登場。
写仏塗り絵というのは以前からあったようだし、チベット仏画やマンダラの塗り絵ブックも欧米にはあった。例えばその翻訳モノが『マンダラ塗り絵』(スザンヌ・F・フィンチャー著、春秋社)。その訳者の正木晃先生が続いて『カラーリング・マンダラ』『カラーリング・マンダラ2』(いずれも春秋社)を出版している。
Creating Mandalas.com(スザンヌ・F・フィンチャー)

『癒しの塗り絵』(扶桑社)は仏や菩薩の仏画・マンダラ15点の塗り絵ブック。ミシン目付きなので切り離してお手本を見ながら塗り絵が楽しめるようになっている。お手本の仏画は日本在住のチベット人仏画師ロブサン・シャンパさん等が描いたもの。冒頭に「美しい仏たちの物語」と題して仏画とマンダラの意味を、監修の石濱裕美子先生が解説している。これで950円はお得だ。
ちゅんちゅんタンカ・カフェ(ロブサン・シャンパ)
オカメインコの森 チベット学への招待(石濱裕美子)

前述のマンダラ塗り絵本は「セラピー」色が濃い、というか著者自身がセラピストだし。マンダラの下絵はあるが、色は自由に塗れる。自由に塗ることに意義がある。自由に塗らねばならない。
一方、『癒しの塗り絵』は「できるだけお手本に似た色で彩色するのが望ましいものですが」と、ちょっと弱気ながら手本に従うよう勧めている。塗り終わった絵を広島のチベット寺院に奉納できるよう、願掛け記入欄もある。仏教寄りの立ち位置、というんだろうか。普通にチベット仏教の本に分類されても何の違和感もない。たとえ塗り絵とはいえ仏画やマンダラを乱暴に扱う人はいないだろうというポジティブな考え方(だからこそ出版できたのだろう)も仏教的だ。

真っ白なところに自由に塗れと言われてもどうしていいかわからないけど真似ながらちょっとずつオリジナリティを発揮していくのが得意な日本人には、ぴったりかも?

それにしても、マンダラの塗り絵はさすがに細かすぎる(^-^;
ただでさえ細かいのに、この本のサイズはA4だ。でも、何でもコンパクトにしてしまうのが得意な日本人なら塗り遂げられるかもしれない。頑張ってくれ!いや、頑張ったら癒されないか。

[参考]→砂マンダラ@宮島の大聖院(チベット式)

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2005.12.16

「ほぼ日手帳」にチベット語

PIC_0003ちょっと小ネタ。
なんだか細かいスケジュールを書き込む機会が増えてきたので、手帳を大きいのにかえた。
それが「ほぼ日刊イトイ新聞」「ほぼ日手帳2006」
後ろのほうの“世界の「おいしい」”というページに
チベット語の「シンポ」(おいしい)が載っていた。
(写真は携帯で撮ったので鮮明じゃないけど、もともとツブレぎみ)

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2005.12.10

チベットといえば温泉だよね♪@『リラックス』

雑誌『リラックス』(107)は温泉特集。温泉といえばチベットだ♪
はたしてp.66にテルドム温泉が登場。ちっちゃな写真も載っている。

pic_0372なんだか見覚えのある写真だ(笑)。
そう、紀行「湯けむり尼寺紀行」に載せたり、『チベットで食べる・買う』に載せたり、あちこち使い回している、いつものやつ。

terdom_hotspringラサから近かったり、近くに鳥葬で有名な寺があったりするため、もはやかつてのようなのどかさは残っていないと思われるが、それでも温泉は温泉。ただし、海抜4000メートルを余裕で超えるので、うかつに勧めることもできない。高地での酒と温泉はテキメンに効く。

pic_0368ラサの近くには、意外と知られていない温泉(というか巡礼地)がまだまだあるらしい。秘湯は秘湯のままにしておいたほうがいいのかも。
写真は、まるごと一冊チベットの温泉の分析データを紹介した『西蔵温泉誌』に載っている、テルドム温泉のお湯の成分の分析値らしきもの。わけわかんないけど。

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2005.11.27

『チベット語になった「坊ちゃん」』で中村吉広氏がデビュー

『チベット語になった「坊ちゃん」—中国・青海省草原に播かれた日本語の種』(山と渓谷社)という本が間もなく(たぶん週明け?)発売される。巨大ブログ「旅限無」(りょげむ)でお馴染みの中村吉広氏のデビュー作。

nakamura01_bookチベットの青海省の小さな町チャプチャにある青海民族師範専科学校で、ひょんなことから、チベットの学生に日本語を教えることになった日本人教師の孤軍奮闘の物語。
チベット仏教に興味をもっていた著者は、現地で仏教を学ぶべく、チベットへ留学。そこでチベット語と日本語の文法の近似性を知り、チベット人学生に日本語を教えることになってしまった。『防人の詩』の聞き取りから始まり、夏目漱石の『坊ちゃん』の翻訳に着手する。時に笑い、時に怒りながら育んだ、チベット人学生たちとの心の交流を描く。
……山と渓谷社公式サイトによる紹介文より。

このカバーの写真って、ヤムドク湖?

著者本人による出版記念の弁?は↓
★旅限無デビュー!『チベット語になった『坊っちゃん』』出版(旅限無)
中村氏はすでに「旅限無」で言論活動を蓄積してきているが、とりあえず1冊目。おめでとうございます♪ 
まあとにかく色々と幅広く、しかも深く語れる論客として今後の活躍が期待されます。

ところで、夏目漱石の『坊ちゃん』って、読んだことあるだろうか?
すでに教科書からも姿を消してしまったそうで、読んでない人も多いと思う。
あと、さだまさしの「防人(さきもり)の詩」を知ってる人なんて、もっとずっと少ないはずだ。
というわけで、この機会にどうぞ。↓
『チベット語になった「坊ちゃん」』(中村吉広著、山と渓谷社)
『坊っちゃん』(夏目漱石著、新潮文庫)←たった300円。古本なら1円〜。
『さだまさし ベストデビュー30周年記念リマスター盤』(CD、2,209円)←「防人の詩」他。

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2005.11.05

Nスペ『新シルクロード 青海・カラホト』(NHK出版)

ご存知NHK新シルクロードの「青海・天空をゆく」が本になったもの。
長倉洋海氏の写真+今枝由郎氏のマトモな解説があり、テレビとは大違い。沢木耕太郎氏も特別寄稿。

『新シルクロード 第4巻 青海 天空をゆく/カラホト 砂に消えた西夏』(日本放送出版協会)のラインナップは…
青海 長倉洋海
取材記 第7集 青海 天空をゆく 矢部裕一
青海を知る チベット世界における青海 今枝由郎
カラホト 林義勝
取材記 第8集 カラホト 砂に消えた西夏 中島木祖也
カラホトを知る 西夏のゆくえ 白石典之
絹の道へ 風景の糸を紡いで〜西安から銀川 沢木耕太郎

silkroad_book01メジャーデビュー間近の「旅限無(りょげむ)」さんにツッコまれまくっていたテレビ番組とはだいぶイメージが違う。
巻頭カラー長倉洋海さんの写真は、アムドクンブム寺(いわゆるタール寺)の大タンカ開帳、ジェクンド(玉樹)のジェグ・ゴンパや競馬祭。個人的にはジェクンドが大きく取り上げられていて嬉しい。
変な文成公主の像とかを口絵に持ってこなくて本当によかったと思う。

silkroad_book02今枝由郎氏はフランスにベースを置くブータン・チベット学者。最近では『ブータン仏教から見た日本仏教』(NHKブックス)、『チベット史』(春秋社)などの著書・訳書がある。
今枝氏の青海についての解説は思いっ切りチベットびいきだ。というか、これが普通の感覚だと思うが。
昔のチベットについて語るとき、いきなり「吐蕃」と書いてしまう人が多いものだが、ちゃんと「中国の史書には吐蕃と記されるチベット帝国」「古代チベット吐蕃帝国」と書いてくれている。
また、『書経』など中国の古典がチベット語訳されていたことについて、「中国文明を学び、取り入れた」などとうっかり書きがちだが、今枝氏は「チベット人の中国文物の理解の高さがうかがえる」と書く。他にも「敢然と立ち向かった」「快挙である」「最先進文明国であった」等、ちょっと誉めすぎかと思うほど(笑)。

青蔵鉄道(青海チベット鉄道)の影響についても、
「チベットを中国の大地に結びつけ、政治・経済的に吸収・統合するための決定的な施設になるのではなかろうか。そうはなって欲しくないものの、現状および近未来的展望からは、そうとしか思えないところに、チベットの置かれた悲劇的状況がある。」
もう完全にこっち側(^-^;のヒトだ。

silkroad_book04ところで、今枝氏の文章の中に出てくる、ラサのジョカン寺前に立てられている“唐蕃会盟碑”の写真(↑←みたいなの)は僕のものだ。こういう絵にならないアイテムでも、いちおう撮っておけば役に立つこともあるんだなあ(^-^;
使っていただき、ありがとうございましたm(..)m

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2005.10.08

藤田理麻さんの新刊絵本『ダライ・ラマの愛の心 ワンダーガーデン〜老犬と仔ウサギの物語〜』

ニューヨーク在住の画家藤田理麻さんの新しい絵本『ダライ・ラマの愛の心 ワンダーガーデン〜老犬と仔ウサギの物語〜』(文と絵・藤田理麻、扶桑社)が発売された。なごんで下さい♪

wondergarden_book「どうしたのウサギさん? どこから来たの……?」
「法王さまのお庭だよ……」
——というわけで、ダライ・ラマ法王が序文に曰く
「ダラムサラを舞台に主人公の夢の中で語られる、心温まるストーリー」。
テーマはニンジェー、つまり「思いやり」。
中身は読んでのお楽しみということで(笑)。

オビは……
「26ページ目があたしを正気にさせるんです。」(YOU)
「娘に読んであげたい絵本です!」(桐島ローランド)
「私たちがもう知っているはずのお話。ただ思い出せばよいのです。」(稲葉浩志)
お、なんか26ページ目がすごいらしい……ところがノンブルがついていないため、そこだけ立ち読みしようにも、1ページずつ繰っていかねばならない。
あれ?序文はページ数に数えるのかな?などと中身を見ているうちに欲しくなるという罠。

wondergarden_tibetan藤田理麻さんといえば、チベット難民などの孤児たちのために絵本を創って贈る“ブックスフォーチルドレン”の活動などでも知られている。
本作品は、チベット民話を絵本にした『チベットの不思議なお話 藤田理麻のワンダートーク』(サンクチュアリ出版)に続くチベットもの第2弾。
前作同様、チベット語と日本語、英語の対訳。これだけでも貴重だ!
チベット本土にも秘かに出回ったりするのかなぁ…。

wondergarden_mis東急Bunkamuraで絵画展とチャリティーイベントも予定されている。
「藤田理麻絵画展 〜ワンダーガーデン〜」は2005年11月11日(金) 〜11月20日(日)。
出版記念チャリティイベントは11月11日(金) で150名限定。朗読やチャリティオークションなどが予定されている。
来年のチベット暦の正月までに、インド・ネパール・ブータンにある82の難民学校に2500冊送るための最低資金400万円を集めるのが目的。
いずれも詳しくは↓
「藤田理麻絵画展〜ワンダーガーデン〜&絵本『老犬と仔ウサギの物語』出版記念チャリティイベント」(東急Bunkamura)
[写真は序文の誤植「コロビア大学」(^-^;]

▼ご購入
『ダライ・ラマの愛の心 ワンダーガーデン〜老犬と仔ウサギの物語〜』(amazon.co.jp)
▼藤田理麻公式サイト
Rimafujita.com
▼藤田理麻デザインのチベット柄タオル"designed by RIMA"が買える
池内タオル“風で織るタオル”(100%風力発電)
▼参考
藤田理麻「チベット難民キャンプを訪ねて」(すばる10月号)(チベット式)

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2005.09.15

藤田理麻「チベット難民キャンプを訪ねて」(すばる10月号)

チベット難民の子どもたちに絵本を贈る活動などで知られるニューヨーク在住のアーティスト藤田理麻さんの難民キャンプ訪問記が文芸誌「すばる」10月号に掲載されている。

「コレガルのチベット難民キャンプを訪ねて」11ページ分。
訪問先は南インドのカルナタカ州コレガル(Kollegal)の難民居住地のSOS Children's Villageなど。コレガルには約4000人のチベット難民が住む。
同行したカメラマンの手記↓で、だいぶ様子がわかりそう。

▼難民キャンプに同行したカメラマンBさんの手記(MediaMonkeys.net)写真あり
カメラマンBの日記Vol.3 インドロケは大変
カメラマンBの日記Vol.4 インドの孤児院
カメラマンBの日記Vol.5 インドロケ最終章
カメラマンBの日記Vol.9 4年越し企画がついに完成・放送!

↑によると、スカパーで『EDGE 2 今を生きる 藤田理麻』っていうのが放送されたらしいですよ。

fujitarima_wondertalk藤田理麻さんはチベット民話を絵本にした『チベットの不思議なお話 藤田理麻のワンダートーク』(チベット語・日本語・英語、サンクチュアリ出版)を2001年に出していて、難民孤児たちに絵本を贈る“ブックスフォーチルドレン”を展開。各種女性誌のエッセーでも、なにかっつーとチベット難民やダライ・ラマ法王ネタを綴っていたりする。もうすぐ新作絵本『ダライラマの愛の心:ワンダーガーデン〜老犬と仔ウサギの物語〜』(扶桑社)も刊行(9/28)。チャリティイベントなども予定されている。

▼藤田理麻公式サイト
Rimafujita.com

▼チベットの孤児に絵本を贈る
ブックスフォーチルドレン

▼藤田理麻デザインのチベット柄タオルが買える
池内タオル“風で織るタオル”(100%風力発電)

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2005.08.28

VOGUE NIPPON「なぜセレブはダライ・ラマの言葉に耳を傾けるのか?」

いま発売されている『VOGUE NIPPON』10月号に「なぜセレブはダライ・ラマの言葉に耳を傾けるのか?」(12ページ)が掲載されている。なんとなく『BRUTUS』(4/1号)から続く一連の流れという気も。

vogue_nippon_jfkまずはJFK Jr.とのツーショット。そしてギアとかシャロンとかウマとか色々。
寄稿しているのはリチャード・ギア、坂本龍一、ダナ・キャラン、隈研吾、藤田理麻、よしもとばなな(←大きめ)という、ややお馴染み感強めなラインナップ。それと、澤文也氏による法王来日ツアールポ、最後に70歳を迎えた法王インタビュー@ダラムサラ
[写真は特集の最初のページ]

vogue_nippon_coverで、とびっきり重い上質の紙をふんだんに使っている女性誌は立ち読みの強敵だ(^-^;
しかも、こういう時に限って別冊付録が2冊+綴じ込みポスターなんかが挟み込まれていて、輪ゴム留めして立ち読みを拒んでいる。
そこで「法王のお言葉をセレブだけに委ねておいてはいけない!」という皆さんにアドバイス。
真ん中の別冊が挟まれているところの直前が、ズバリ法王特集だ!(違っていたらごめんなさい)
[写真は表紙]

vogue_paris『VOGUE』といえば、かつて『VOGUE PARIS』がまるごと1冊、ダライ・ラマ法王に特別編集長を任せるという快挙を成し遂げている。アート系の学校の図書館とかを必死で探すと書庫にあったりするので、廃棄されないうちに見ておいたほうがいいと思うよ。
[写真はその『VOGUE PARIS』1992年クリスマス号]

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2005.08.26

32世紀、ダライ・ラマ法王はポタラ宮に健在!(『エンディミオンの覚醒』)

8歳のダライ・ラマ法王が一休禅師の歌を引用して法を説く。相手は謁見に訪れたヴァチカンの枢機卿。西暦で言うと32世紀、惑星“天山”のポタラ宮で。
ダン・シモンズの「ハイペリオン」シリーズの完結編『エンディミオンの覚醒』は、どういうわけかチベットネタが満載だ〜

やっと読めた(^-^;
そもそも「ダライ・ラマ何十何世だかが出てくるSFがあってね」と聞いて、それはぜひ読みたいと思ったのが「ハイペリオン」シリーズ。
が、これが長いのなんのって、
『ハイペリオン』
『ハイペリオンの没落』
『エンディミオン』
『エンディミオンの覚醒』
の4部作あって、それぞれ分厚い文庫本×上下巻。
最初の2作を読んだ時点でダライ・ラマなんて出てこなかったので一旦挫折したのは、いつだったかな。
4作目『エンディミオンの覚醒』の真ん中あたり(第二部)でようやく登場してくれた。

endymion1ものすごく簡単に言うと、今から1000年以上の間に色々あって(^-^; 地球はほとんど放棄された。人類は宇宙に散らばって、人工知性と渾然一体となって多様な進化を遂げている…というSFによくある未来。
で、人類を支配しているのは、なんとローマ教皇率いるヴァチカン。“聖十字架”と呼ばれる寄生体によって、死んでも何度も生き返るホントの“復活”を可能にしている。
けど、その“聖十字架”を、つまり不死を受け容れない辺境の非キリスト教徒の惑星のひとつが“天山”だ。

endymion3天山にはポタラ宮やチョカンがあって、そこは“中国”の中心地らしい。
そして、指導者は、何代目だかはわからないがダライ・ラマ法王、8歳。
摂政レティン・タクタとか、サムディン寺の女活仏ドルジ・パーモとか、ギャロ・トゥンドゥプとか、ツィープン・シャカバとか、ロサン・サムデンとか…おいおい千年前と同じじゃないかみたいな人名が続々登場する。
千年たって別の惑星に移っても、チベット人はやっぱり高地に住んで、チュバを着て、ヤクを手なずけ、ツァンパとモモを食べて、バター茶を飲んでいる。

endymion2チベット仏教はもちろん健在だ。偶像崇拝や儀式が廃れて、より素朴な方向へシフトしてはいるが、やっぱり黄帽派とか紅帽派とかはあるらしい。ゴンパをはじめ、タルチョ、マニコル、チョルテン、各種仏具などの小道具も網羅。
本筋と関係あるんだかないんだか(実はあるんだろうが)登場人物がやけに仏教や東洋思想の蘊蓄を語っていたりして少々くどい。
(ちなみに「訳者あとがき」に東京外大の星泉先生への謝辞の言葉がある)

という具合に、なんだか異常にチベット色(その他の“東洋”色もだいぶ混ざっているが)の濃い『エンディミオンの覚醒』。
ダライ・ラマ法王も案外チョイ役ではなく、ドルジ・パーモ女史とともに、かなり最後のほうまでストーリーに絡んでくるので感心感心♪
チベットネタだから、というだけの理由で読む人がいるとは思えないが(^-^;
基本的には「謎多すぎな娘×娘に恋するボケ系の男、2人の愛と珍道中が人類を救う!」みたいな甘めのお話だし(←なんというモトもコもない言い方…)、“謎解きの巻”なので、前の3作を読んでなくてもストーリーはわかるようになっている、と一応勧めてみたりして(笑)。
1400ページ、達成感ひとしお(^-^;

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2005.08.18

禁断のアート、砂マンダラ@BRUTUS(9/1号)

brutus050901先日、相田みつを美術館で9日間にわたって行なわれた砂マンダラ作成の模様が、
今売ってる『BRUTUS』(9/1号)の後ろのほうで紹介されている。
p.142「選ばれし者にしか作れない、禁断のアート!? 美しい砂曼荼羅が完成し、消えていくまで。」

ライターは↓これを書いた荒川京氏。
「ブルータス」、チベットに出会う!

当時の砂曼荼羅レポートは↓をどうぞ。
チベット砂曼荼羅の世界会場レポート(チベットハウス)
Kikulog(KIKU)

しかしこんなにチベットネタばかりやってて大丈夫だろうか(^^;>BRUTUS
今はなき同朋舎『GEO』がチベットと猫だらけだったのを思い出す(←あくまで印象)。
今後もし猫が載り始めたらヤバいかもしれない(笑)。

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2005.08.15

チベット独立を描いたミステリー小説『ヒマラヤン・ブルー』(山石 恵)

『ヒマラヤン・ブルー』(山石 恵)新風舎文庫(←amazon.co.jpにリンク)

pic_0241旅先のシンガポールで萌子はスワミと出会い恋に落ちる。しかし、一枚のフロッピーディスクを萌子に託しスワミは謎の死を遂げる。その後、残された萌子の周囲で起こる殺人事件……。謎を追う萌子の前に立ち塞がる中国情報部。スワミと同じ顔の男・楊は何者か。
騒乱から政府瓦解へと突き進む中国を後に、聖地チベットで萌子は歴史の闇に葬られた二人の兄弟の、悲しい宿命を知ることに……。書き下ろし長編ミステリー。

新風舎の紹介ページより

せっかくのミステリー仕立てなので展開は書かないでおくが、
平たく言うと、旅先で優しくされた男とついやっちゃったために、
チベット独立運動に巻き込まれていく日本人女性の話。
最後はラサまで行って活躍する。

最初から最後まで“私”が語るスタイルのためか、
“私”の知識と交際範囲内のことしか語られない。
職場や仕事(フラワーコーディネーターだそうだ)の話はやたらと細かいのに、
国際情勢絡みになると、とたんに『サピオ』に載ってたような話を薄めた感じになる。
よく言えば“等身大”。
そのレベルに合わせられれば、“私”の成長物語に感情移入できるはずだ。

読後感を「いかにも女が書いた、って感じ」と語った女性がいたが、まさにそんなテイストもあり。あ、いい意味で(笑)。

著者について詳しいことはわからないが、たぶんチベットが好きな人なんだろう。
チベットにまつわる細かなガジェットがあちこちに散りばめられていて、適材適所きちんとハマっていると思う。
わざとらしさ、あざとさもなく、“私”を取り巻く周辺の設定については妙に通っぽくて好感度大。
でも、“私”については好き嫌いが分かれるだろうなあ(笑)。

まあすぐ読めるので読んでみて下さいよ。

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2005.06.09

「知られざるチベットの巨大寺院」@週刊文春

あまりに巨大になりすぎたため中国当局が僧坊を強制撤去する事態になったチベット寺院ラルン・ガル・ゴンパ(四川省の色達喇栄五明佛学院)が週刊文春グラビアに登場。写真は「地球の歩き方 チベット」でもお馴染みの長岡洋幸

Larung_bunsyun先週出ると聞いていたので、その通りにメルマガで告知してすっかり嘘つきになってしまったが、本当に出てよかった(フィリピンの日本兵騒ぎで流れちゃったのかも?)。いま売られている週刊文春6/16号の後ろのほうのカラーページに「知られざるチベットの巨大寺院」4ページ。いきなり見開きで、ラルン・ガル寺の威容が拝める。

しかし、ずいぶんたくさん僧坊が破壊された後なので、痛々しいといえば痛々しい。一時期は8千人とか1万人とか言われ(ホントかどうかは不明)、2001年に当局から3000人くらいにしとけ!と命令を受け、あげくに僧坊の強制撤去が行なわれた。
こんな具合に壊されていった。
Tibet Information Networkのレポート

Larung_mukashiついこないだ行った人によると、まだ外国人は立入禁止で、その人は入れたんだけど、しっかり見張られていたそうな。昔は平和だったのにね。
僕が初めて行った1997年の時点で熱心な漢族信者が何千人もいたから、さすがに当局も危険だと思ったんだろう。
地元の政府とはうまくやっていたどころか、幹部も含めて全員信者みたいなもんだから、中央に話が伝わらなくて手遅れになっちゃったんだろうな〜♪

2見開き目は、もうひとつの大僧院アチェン・ガル。これも四川省だ。チベット文化研究所のラマ・ウゲン師の師匠であるアチュ・リンポチェのお寺。こちらも草原の奧のほうで、いつの間にか巨大になっていた。今はバスも通っている。

[参考]一昨年行った時のミニ紀行→ラルン・ガルは遠かった

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2005.05.25

チベットっぽい絵本『チベットの山々』は、子ども向け「死者の書」

チベットの絵本じゃないけど、チベットっぽい絵本『The Mountains of Tibet』、つまり「チベットの山々」。凧あげの好きな男の子が生まれて、育って、大人になって、年老いて、死んじゃって…それからどうなる?
[画像をクリックすると大きくなります]

mountains_tibet『The Mountains of Tibet』(Mordicai Gerstein著、Barefoot Books)は英国の絵本。“チベットの”と銘打っているのでチベット人の男の子が登場するが、チベット人が描いているわけではないし、絵も特にチベットぽいわけではない。それどころか、チベットにはありえないようなシーンも登場する。

でも、いかにもチベット人が子どもに語り聞かせそうなストーリー。簡単なお話なのでネタバレさせないように伝えるのが難しいが、要するに、子ども向けに語る『チベットの死者の書』みたいなものだ。まえがきも『チベットの生と死の書』の著者ソギャル・リンポチェが書いている。

mountains_tibet2元は英語だが、うれしいことに日本語訳のブックレット付きで「はだしの本屋」というネット上のお店で買える。英国の版元Barefoot Booksの絵本を翻訳して、ブックレットを付ける形で販売しているとのこと。なるほど日本語版出版ということになると、出版社探したりお金がかかったり色々タイヘンだもんな。
「はだしの本屋」。『チベットの山々』は左のメニューの「絵本のリスト」の中にあります。

原書はいくつかバージョンがあるようだが、amazon.co.jpでは例えばここ→"The Mountains of Tibet"
「チベット・ブックガイド」の絵本コーナーにも掲載した。
……ちなみに宣伝頼まれたりとかしてません。別に知り合いじゃないし、だいぶ前にちゃんと自分で買ったものですから(笑)。

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2005.05.17

「ダライ・ラマ法王、“贅沢”とは何ですか?」@『BRUTUS』6/1号

4/1号でダライ・ラマ法王book in bookを付けた雑誌『BRUTUS』
6/1号はまたしてもスゴイ表紙の25周年記念特大号。
題して「贅沢は<素>敵だ!」。
brutus25yearsP.180に「ダライ・ラマ法王、“贅沢”とは何ですか?」というインタビュー(@金沢)を、P.181には『BRUTUS』25周年を祝う記念色紙(笑)を大胆にも1ページまるごと使って掲載!

あと、ついでと言ってはアレですが、同じマガハの雑誌『Relax』ジンガロ出演の僧侶たちが登場してます。

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2005.05.10

ダライ・ラマ登場@『Why are you creative?』(ハーマン・ヴァスケ著)

「なぜ、クリエイティブでいられるんですか?」という問いを著名人55人にぶつけ、言葉やアートで答えてもらうという本。ダライ・ラマ法王が登場し、なおかつ序文も書いている。ダライ・ラマも色々聞かれてタイヘンだな(笑)。

why_creative0『Why are you creative? 自分にしかできないことを探す55のヒント』(ハーマン・ヴァスケ著、山田貴久訳、竹書房)

え!竹書房!?と、ちょっとびっくり。
[写真はすべて携帯で撮影。クリックすると大きくなります]

why_creative1インタビューの対象によって問いが少しずつ違う。例えば、レニ・リーフェンシュタールに対しては「カメラの発明はクリエイティビティにどういう変化をもたらしましたか?」とも聞く。ダライ・ラマに対しては「クリエイティビティは世界の種々の問題解決において助けとなり得ますか? とくに第三世界においては?」。

why_creative2見開きチベット語メッセージもあり。ただし真ん中の綴じ目が美観を損ねている(ノドを逃げてない)のが残念!

英語でよければ内容の一部は公式サイト“Hermann Vaske's: why are you creative?”で見られる。ダライ・ラマ法王の序文も。
他の面子は、ボノ(U2)、デヴィッド・ボウイ、ゴルバチョフ、ギュンター・グラス、ホーキング博士、タランティーノ、北野武、ネルソン・マンデラ、ジュリエット・ビノシュなどなど...

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2005.04.08

ダライ・ラマ法王来日記念♪“「ブルータス」、チベットに出会う!”が完結

ダライ・ラマ法王来日記念、雑誌「BRUTUS」4/1号ダライ・ラマ法王Book in Bookの取材スタッフによるサイドストーリー“「ブルータス」、チベットに出会う!”が完結。

「ブルータス」、チベットに出会う!

なんとか来日に間に合うよう完結できました(^^;
いろいろな皆さんにご協力いただきました。ありがとうございました♪

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2005.03.15

ダライ・ラマのことを、どこまで知ってますか?@ブルータス4/1号

今日発売の雑誌ブルータス4/1号の後ろのほうに
「Special Book in Book
All About The Dalai Lama
ダライ・ラマのことを、どこまで知ってますか?
があります。全24ページ。
僕も2ページだけ書いてるんだけど、実はまだ中身をよく見てないので
コメントは後日。

日頃チベットにほとんど縁のなさそうな、つまりブルータスとか買ってる人(笑)が偶然読んでくれればいいいなあと思います。

便乗&来日間近企画として、
ダライ・ラマのインタビュー等のためにインドに取材に行ったスタッフによる
編集後記↓<「ブルータス」、チベットに出会う!>を本日スタートしました!
「ブルータス」、チベットに出会う!

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2005.03.07

ダライ・ラマって、誰ですか?@次号ブルータス

brutus_hh_yokoku
意外な雑誌の次号予告にダライ・ラマの文字が!
来週15日発売の「ブルータス」第2特集に乞うご期待!

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2005.01.20

ダライ・ラマ13世と本願寺の縁結びをした僧侶、ていうか工作員・寺本婉雅

“日本とチベット”温故知新シリーズ(?)第二弾。(第一弾は矢島保治郎

teramoto_enga年末に楽天フリマで『藏蒙旅日記』(寺本婉雅著、横地祥原編、芙蓉書房)を発見して衝動買い。4,000円もしたが、昭和49年初版の時点で定価3,000円だったことを考えるとお買い得だと信じたい。折込地図も付いてるし。

で、この本に限ったことじゃないけど、古本屋さんが書名や著者名を間違えて(婉画とか蒙藏とか)入力してるせいで、検索に引っかからないことが結構あるのが残念。

寺本婉雅は東本願寺の僧侶で、能海寛とともに成都からバタン(巴塘)経由でラサに向かおうとしたもののガードがきつくて断念。能海寛は雲南側からチベット入りを企てる執念深さをみせたが(後に消息を絶つ)、寺本は抜け目なく(?)一旦帰国。北清事変に乗じて北京から大蔵経を持ち帰ったり、雍和宮の座主アキャ・フトクト(阿嘉呼図克図)を日本に招くなどの活躍をした。そのコネで青海側から1905年にラサ入り。

ラサ周辺はあっけなく通過して(当時ダライ・ラマ13世はモンゴルに亡命中)、活躍したのは青海のタール寺に入ってから。ダライ・ラマ13世とも謁見し、後に西本願寺の大谷尊由と13世との会見に結びつけた。ブリヤートからのアヤシイ留学僧ドルジェフにも会っている。やっていることはほとんど工作員。もともとその種の才能があったのだろう。

小さな活字でぎっしり二段に組まれた『藏蒙旅日記』は通読が困難だった。記述が非常に細かいのは嬉しいことだが、旧仮名づかいの上、読めない漢字が多すぎて、全文つきあうのは途中で断念。第三部にいたっては漢字とカタカナだけになってしまい、読ミニクイッタラ有リヤシナイ。『西蔵漂泊 チベットに魅せられた十人の日本人』『チベットと日本の百年 十人は、なぜチベットをめざしたか』でアタリをつけておいて、盛り上がってそうなところだけ一生懸命読ませていただいた。

 米国公使ロックヒール氏は六月十四日北京発五台山に登り、達頼と二回謁見、何事歟上申せし由。
 曩に独乙の武官来謁あり。又英国宣教師も来謁ありしと云ふ。英米独露は各々争ひて達頼に通ぜしと話しぬ。達頼の威光や大なりと云ふべし。之を見て我邦の宗教家の言ひ甲斐なき、世人に尊敬せられざるのみならず、却りて世人に擯斥せられ、仏光の宣揚に甚だ微力なり。達頼や支那皇帝の大導師とし北京政府の全力を濺ぎて達頼を歓迎せんとし、各国争ひて之に接近せんとす。之を歓迎するに多大の意と巨費を投ずるものも、之に接近せんと争ふ各国の意図も、共に政治的範囲を出でずと雖も、一個の法王に対する万人の視線の甚だ慧敏にして、各国環視の圏内に在りて亭々として独立し、決して世俗に媚びず、却りて世俗をして遠近の嫌ひなく来りて叩頭せしむるの態度は、実に宗教家として正に学ぶべき偉大の感化あるに非ずや。吾人は達頼の勢力の大なるを実見するに付て日本の宗教家の微力なるを恥ぢざるを得ざるなり。
(p.280)※註:達頼=ダライ・ラマ

仏教云々以前に、チベットを守らねば! 英国やロシアでなく、同じアジアの日本が! というモチベーションに突き動かされていた気配は、この時代ならではだろう。
そういえば、ダライ・ラマ13世は寺本に、日本の天皇に宛てたカタ(贈り物の絹)を手渡したりもしている。政治的にますます難しい状況になって、頼れそうなところにはできるだけ手を打っておこうという期待があったのだろうか。結局、日本は期待に応えられなかったようだが。

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